ダイヤモンドの価値
ダイヤモンドの原石を見られたことはありますか?
地球上一、硬い鉱物といわれるダイヤモンドの原石は、このような形で採掘されます。
ダイヤモンドの原石は主に立方八面体の形をしているといわれます。(こちらの下の写真には、赤い色のガーネットという石が内包されています。珍しいですね。)
一般的には八面体の形をしていると言っても、実際は理想的な形状の結晶で産出されることは少なく、変形したものが多いようです。ですが、たいていは
・八面体結晶
・十二面体結晶
・六面体結晶
の3種類に分類できるか、あるいはこれらが組み合わさった形となります。
その一つ一つの原石から、通常大小二つ以上のダイヤをカットします。
上記の写真は人工的に作ったサンプルですが、わかりやすいですね。
ひとつの塊からいかに無駄なく多くの、あるいはカットの綺麗なダイヤが取り出せるか、それがダイヤモンドをカットする職人の腕の見せ所です。
この写真で分かるように、左の理想的なカット(キラキラとよく輝くもの)を追求すればするほど、無駄な部分が出てきます。こういった採掘された原石からラウンドブリリアント(画像にある典型的なカットのデザイン)のダイヤを採るために余分な部分を削り取りますが、これを「歩留まり」と言います。
ダイヤモンドをカットしたりデザインしたりする職人たちは、少しでも削る部分を少なくしてこの「歩留まり」を良くしようとするため、できる製品は必ずしも理想のプロポーションとならないことがあります。
画像の真ん中のイラストは、カラットつまり重さ・大きさを重視したものです。この場合、左の理想に近いカットを施したものよりサイズが大きくなるため、場合によっては高い値がつくこともあります。
こうみていくと、カットとカラットは実は相反する関係にあるのがわかります。綺麗なプロポーションをとるか、歩留まりの良いカラットの大きさを取るか、のせめぎ合いなのです。
もちろんダイヤがセッティングされる宝飾品のデザインにもよると重いますが、あなたならどちらを重視しますか?